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歯の寿命を決めるのは「あなた」です。

年をとるにつれて歯が無くなる、ということは誰もが何となく思い描いていることのはずです。

80歳超えても、歯がいっぱい残っている方と、そうでない方がいます。

日本人は歯を失いすぎている民族だと思います。それは、歯に対する意識が薄く、予防という習慣が根付いていないためです。とはいいましても、昔に比べれば随分と改善されつつあります。予防歯科という言葉もわりと一般的になってきました。

歯の寿命を延ばす方法via:8020運動

8020運動というものがあります。ハチマルニイマル運動と読みます。これは80歳になった時に20本の歯が残っていることを目標とする運動です。このような運動の効果もあって、2011年のデータによれば後期高齢者(75歳以上)で20本以上の歯を持つ人は37%とのことです。75歳以上の方の歯の平均本数は13本ほどです。なんと1970年代は平均で5本未満だったので、飛躍的な進歩を遂げたといえますね。

でも、まだまだです。最低でも二人に一人、50%以上の人に20本以上残っていて欲しいものです。

そのためには、日常生活において何も問題がなくても、1年に1回でもよいので歯の定期健診を受けて下さい。

ところで、歯の本数を20本といわれても、皆さんは子供や大人が何本ぐらい歯があるかご存知ですか?

人間の歯は進化の過程で減りつつあります。

子供では20本、大人では28本です。この28本という本数は親知らずを除いた数字です。親知らずが全部生えている人では32本になります。

親知らずも「歯」です。

しかし、4本全て生えている人もいれば、1,2本だけ生えている人もいます。これは何故なのでしょうか?

親知らずの存在は、人類の進化と密接に関係しています。

サル(現在の猿ではなく、類人猿との共通祖先)から進化した私たち人類は、サルの時代には持っていた尻尾を、持たなくなりました。なぜ持たなくなったかといいますと、木の上でなく地上で暮らすようになり必要としなくなったためと考えられています。とはいいましても、人間は胎児の初期段階では尻尾はあり、生まれてくるころにはなくなっています。時として尻尾が生えたまま生まれてくるケースもあります。外見上、尻尾はなくても、人間には尾骨という骨があり、尾骨を形成する尾椎の数は人によってことなります。尾椎の数が人によって異なる、というのは、親知らずと似ていますね。

退化(進化とも言えますね)した尻尾と同じように、親知らずは現代人にとって不必要になりつつあるのです。その原因は、食べ物の変化です。火を使うようになり、道具も進化したため、人は柔らかい食べ物が食べられるようになりました。つまり、しっかりと物を噛まなくても食べることができるようになったのです。モノを噛むという動作は頭〜首周辺までの広範囲の筋肉を使います。柔らかいものを食べるのに、そこまでの筋肉および歯を使う必要がなくなったため、顎は小さく、歯の本数が少なくなりつつあります。

親知らずを除いた歯の本数が28本でない場合

親知らず以外の歯では、一生に一度だけ生え変わる歯が20本(乳歯ですね)、一度も生え変わらない歯が8本あります。これら28本の歯は、一度失うと二度と生えてきません。28本の歯が揃っていないという方は少なくありません。もともと持っている歯を失う原因のほとんどが虫歯・歯周病によるものです。特殊な例として、生まれつき歯の本数が少ないことや、痛ましいことですが大怪我によってなくなってしまったりすることもあります。

歳を取ると歯って抜けるの?

入れ歯ときくと、おじいちゃん・おばあちゃんをイメージされる方が多いと思います。歳を取れば、毛髪同様、歯は抜けていくもの。そんな風になんとなく思われていると思います。老化によって歯が抜けることはあります。

では、老化で歯が抜ける原因はなんなのでしょうか?

歯が抜ける原因のひとつに寿命があります。歯には寿命があるのです。耐久性は個人差はありますが、人間の平均寿命から考えて、100年以上持つようには作られていないのは明らかです。歯の寿命は大体60年くらいと言われています。乳歯→永久歯に生え変わってから60年というと大体70歳くらいですね。

歯の寿命を迎えるということは、最終的に歯が抜けてしまうということを意味します。日本人は80歳で残っている歯の本数は平均で10本に満たないと言われています。しかし人によっては20本以上残っていらっしゃる方も。

歯の寿命とその寿命を決定する要因について

歯の寿命といっても、最初から決められたものではありません。歯が抜けたら、それを寿命としているということですので、歯が抜けてしまう原因まで掘り下げてみましょう。

老化によって歯が抜ける原因で、もっとも多いのが「破折」です。はせつ、と読みます。破れる・折れる、という漢字ですので、歯が砕けてしまうような恐ろしい感じがしてしまいますが、分かりやすくいいますと「歯の老朽化」です。

歯も臓器の一部です。何十年と使っていれば、それなりのダメージをうけていると思ってください。これは、神経がある歯でも、ない歯でも起こりうることです。歯はすり減っていくものなのです。

実際のところ、歯の老朽化は、外見だけではよくわかりません。外見は普通でも、ヒビが入っていて突然割れてしまうなんてことはよくあります。これは、神経がない歯ですと、神経がある歯よりも顕著です。

神経がある歯の破折は、咬むと違和感から始まり、いずれしみるようになります。また、神経のない歯の破折は、いきなり痛みが出てきて、歯茎が腫れるようになります。

とにかく大切なのは神経!歯の神経は出来る限り残すことが大切です。

ただ、神経が残っている歯でも、加齢によって歯髄とう神経のかたまりがだんだん小さくなってなくなってしまいます。(歯髄腔の狭さくと言われています。)これが原因で、歯がかけてしまう場合もあります。この歯の神経の狭窄は、一般的に80歳以上の方であれば皆起こることです。

割れてしまった歯は、残しておくことは・・・難しいです。老人の方の疲労骨折は良く聞く話だと思いますが、やはり歯も骨折して割れてしまう場合があるという事です。普通の骨でしたら、骨折しても元に戻りますが、歯は折れてしまったらおしまいです。

もう一つ、老化により歯が抜ける原因として「老化による顎の骨の縮み」があります。

歳をとると、身長が縮んでいきますよね。顎の骨も同じなのです。約1年間で0.1ミリ、10年間だと1ミリです。80歳ですと20歳から60年ですので約6ミリ程縮むのです。年を取って小さくなったと感じるのは、骨の縮みによる影響が実はもっとも大きいかもしれません。

歯の根の長さは、個人差がありますが、仮に根の長さが12ミリだとすると、80歳では、骨に埋まっている根は、約6ミリ。どうしても浅くなってしまうのです。これに加えて、咬みあわせの病気、咬合性外傷などが加わると歯が炎症を起こして抜けてしまう場合もあります。

このように、老化によって歯が抜ける・欠けてしまうことは避けることができませんが、神経の有無によって、その時期は大きな差が生じます。神経のない歯の寿命は、15−20年といわれています。

歯並びをキレイに見せるための矯正のために、抜歯するというケースもありますが、健康な歯を抜くことは絶対によいことではありません!

老化によって歯を失うにしても、できるだけ多く残した方がよい理由

一本でも多くの歯を残すこと、これはどなたでも「よいこと」であると、なんとなく理解していらっしゃるはずです。

一本の歯というと、たかが一本かもしれませんが、されど一本。その一本が大切です。

歯の大切さを理解するためには、歯が無くなったときの口の中の変化を理解することが大切です。

変化というよりも、歯が無いことによるデメリットを知っておいていただきたいと思います。差し歯やインプラント、入れ歯にすればOK、ということではありません。それでも補えきれない損失は絶対的にあるのです。

歯の数は全部で28本とあると書きましたが、何らかの理由でその数よりも減ってしまった時にお口の中では様々な変化が起こり始めます。その変化は私たちが慣れるようにゆっくりと進んでいきますので、深刻な状況になるまで気づかないなんてことも珍しくありません。

歯は移動します。

歯が抜けてしまいますと、抜けた歯に隣接していた左右の歯や、無い歯とかみ合う上下の歯は、少しずつ徐々に徐々に移動します。つまり、かみあわせが変化します。その噛み合わせが大きく崩れてくると、 あごの筋肉や顎の関節にまで影響がでてきます。

声を出すということと歯は密接に関係しています。例えば前歯が無くなると喋りずらくなります。一方、奥歯の数が減ってくると、明瞭な声でなくなります。相手に伝わりにくい声になります。そして、奥歯が減ると“食べ物を咬む能力”は、急激に落ちてしまい食事がしづらくなります。このような、数々の不便な問題が起こることは避けられません。何よりも、モノをきちんと咬むことが出来ない→食事ができない→健康を害します。原因不明の疾患に悩まされる可能性も否定できません。それだけ、よく噛んで、口の中で消化するという行為は生きていく上で大切なのです。そのように体はできているからです。

患者さんの歯に問題が起きたときになるべく早く治療を終えることを望むと思いますが、一度移動した歯をキレイに治すのに時に年単位の時間が必要になることもあります。そのようにならないためにも、ご自身のお口の中を日ごろからのメンテナンスをしてあげましょう。予防が大切ということです。

歯が減ると顔が変わってしまいます。

歯が無いと食べづらい等の他に、顔に変化が出ます。自分では些細な変化と思っていても相手に与える印象を大きいものです。人の印象を左右する口元は、年齢を重ねるとしわができてきますが、そのしわのでき方に歯がかかわっていることもあります。通常、人の前歯は垂直に生えているのではなく少し外側に傾いているので、唇を前に押しのけてくれています。ですが、押しのけてくれるはずの歯が無くなってしまうと、たるんた唇がしわとなってしまいます。このように口元にしわができてしまうと、見た目にも年をとっているように感じられます。歯科ではこれを老人用顔貌と表現します。また、奥の歯の数が少なくなると上の前歯がだんだん前に押されて出っ歯になってしまったり、歯がすいてきたりすることもあります。昔と歯の生え方が変わったりしていませんか?

いつまでも若々しくいるためにもしっかりと歯を残すことが大切です。

歯がなくても食事は一応できます。しかし、問題はあります!

歯が無くても食事ができる方は勿論いらっしゃいますが、実際は本当に問題がないかというと、ないわけではありません。全ての歯がない人で、入れ歯を装着していない方の多くは舌ですりつぶしながらの食事となります。ですから軟らかいもの、流動食しか食べることはできません。入れ歯を入れるということは、どうしても違和感を感じます。それが嫌だったり、入れ歯を装着するのが煩わしいといった理由で、入れ歯が必要な状態でも入れ歯を装着していない方もいらっしゃいます。ですが、体の健康・栄養面を考えると、入れ歯や繋がったかぶせ物を装着することが望ましいです。

また、歯が無くなってしまうと食事は歯肉でするため、歯と違って歯ぐきは歯ごたえ等の細かい感覚が判りづらくなります。全てを舌で判断・判別しているわけではないのです。例えば、そばとうどんの違いが判りにくくなってしまいます。どんな食事でもおいしく食べれるようにするためにも歯をなくさないようにしましょう。

歯がないと、食事だけでなく、話すことも億劫になったり、口を動かす行為自体が減ります。口を動かす、噛む、という行為は、脳への大切な刺激です。

神経がある歯を一本でも多く残すことが望ましいのですが、なかなか難しいことです。歯を失ってしまったら、放置せず、入れ歯・インプラント・ブリッジを歯科医院で検討して下さい。そして、常日頃から、定期的に歯科に通うという習慣を身につけていただきたいというのが歯科医師として心から思うことです。私の歯科医院に来て欲しいということではないですよ。

ご自身の歯を意識する、ということは、自分自身に目を向ける、ことになります。生きるために、食べる・飲む・呼吸する・話す・笑う・・・すべての始まりは「口」です。歯を意識するというこは、お口の中を意識するということと同じです。何事もスタートが肝心です。心身の健康は、お口の健康から、というのは決して言い過ぎではないと思います。

参考までに夢占いで歯が抜けるのは世界共通で身内の不幸や、病気などの良くないイメージだそうです。

それだけ歯がなくなることは良い事ではありません。


歯の色を白くしたい方へ!歯医者が教える歯の色の仕組みとホワイトニングで白く見える理由

笑った時に白い歯がキラリ★素敵ですよね。

高倉歯科マインドクリニックの歯科医師・高倉寛です。

笑顔には白い歯が似合います。

あなたの歯の色は、あなたの理想の色ですか?

ご自分の歯の色が気になっていませんか?

歯を白く見せる仕組み

歯の色は様々。ひとりとして同じ色の歯を持つ人はいません。

歯の色は?という質問の答えは白ですが、白といいましても数えきれないほどの白っぽい色があります。

歯は、黄色っぽい象牙質を半透明の白色のエナメル質で覆われている構造です。象牙質の色、エナメル質の色の組み合わせになりますので、白っぽい色といいましても一人として同じ色の歯を持つ人はいません。

理想の歯の色というのは、歯の色だけでは決められません。まわりの色とのバランスもあります。肌の色、唇の色、髪の毛の色とのバランスもありますし、女性でしたらお化粧との兼ね合いもあります。

身近な例でいいますと、スマートフォンの画面で白い色を表示した時、真っ白な蛍光灯やLEDの下で見る画面の白色と暖色系の明かりの下で見る白色では色味が変わって見えるという経験はどなたにもあるのではないでしょうか?まわりの環境光によって、青っぽく見えたり、黄色っぽく見えたりします。

鏡を見て、理想の歯の色を考えるということは、あなたの顔に似合う色=理想の色です。

普段歯の色を気にしていない方は少なくないと思いますが、気になっている方というのは、おそらく「歯の変色」が気になられていると思います。

歯の色が変わる原因

歯の変色というと黄ばみを思い浮かべると思いますが、他にも灰色っぽい、黒っぽい、青緑っぽい、より白っぽい変色があり、種類は意外と多いので す。

歯の色というと、どうしても表面、つまり外から見える部分ばかりに目が行きがちです。

実際は、歯の色は外側だけでなく内側の色の影響を大きく受けます。

つまり歯の変色は、歯の外側と内側の両方に原因があります。

外側からの変色原因

外側からの変色の原因は、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、赤ワインなどの色がついた飲み物、カレーやミートソースなどの色が強い食べ物、喫煙による タバコのヤニの付着、薬の色素などが歯の外からきた色素が歯に沈着するタイプの着色汚れです。

内側からの変色原因

内側からの変色の原因は、加齢により歯の内側から黄色くなるものがあります。歯には象牙質という黄色い層があるのですが、年々この色が濃くなるの でだんだん歯が黄色くなります。白い歯が若々しく見えるのは、実際に若いときの歯が白いためなのです。

虫歯や内服薬による歯の変色

虫歯で歯が黒っぽくなるというのはどなたでもご存知の現象だと思いますが、黒っぽくなるだけではありません。黒っぽくなるのは、かなり進行してし まった虫歯のケースです。

初期の虫歯は歯が白くにごった色になり、これがさらに進行すると茶褐色や黒っぽくなってきます。

病気をで服用するクスリによる影響での歯の色が変わることもあります。

虫歯だけでなく、病気をして服用するクスリによる影響での変色もあるのです。例えば、テトラサイクリンという抗生剤によって歯の色が変色しま す。乳児から7歳くらいの間にこの薬を長期間飲むと歯に色素が沈着してしまい歯の色がかなり濃くなったり歯に縞模様ができたりします。色は薬の種類によって様々です。

このように歯の着色・変色の原因は様々です。ですから、歯を白くする、自然な色に戻すためにホワイトニング、クリーニングにもいろいろ方法があるのですが、歯の色が濃い場合には歯のクリーニングやホワイト二ングだけでは白くするのは難しい場合があります。

歯の汚れをクリーニング

歯のクリーニングは、歯を綺麗にするということ、つまり、誰もが日々行っている歯磨きも歯のクリーニングですね。歯の汚れをキレイにするためには、どこが汚れやすいのかについて知っておくことが大切です。

歯が汚れやすいところ

歯の裏側、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目など、歯みがきのしにくい部分に汚れは付きやすいです。

歯の表面で一見きれいにみえるところでも、ざらざらのところに着色汚れはつきやすいです。ついてしまった着色汚れが取れなくなる前に、毎食後に歯 をていねいに磨いて、ざらざらしないようにきれいにしておくことが重要です。

歯の汚れでよく聞くステインとは?

歯みがき粉等のCMで良く耳にするステインとは、歯の表面の着色や汚れを指します。

ステインという言葉自体は、歯に限った用語ではございません。布や木材に色を付ける、染色の材料をステインといいます。

歯の汚れは、食事やタバコを吸うことで付着しますが、食後の歯みがきで大体は取り除くことができます。しかし、取りきれなかった小さな汚れが、日々蓄積されますと頑固な汚れとなり色がつきます。これが「ステイン」です。お茶やコーヒー用のマグカップに、いつのまにか色がついてしまうことってありますよね。それと同じです。

歯の黄ばみは、蓄積された汚れと「歯の表面のタンパク質」が結びつき、ステインとなることが原因です。

茶渋には塩が効く!塩といえば歯磨きにも・・・

生活の知恵で、頑固な茶渋には、塩が効くことをご存じの方も多いと思います。マグカップの頑固な茶渋の汚れは、塩とスポンジで磨くと簡単に落ちます。漂白剤を使わなくてもキレイになります。これは、茶渋に含まれているタンニンという成分と塩が結びつくためです。タンニンといえばワインにも含まれています。ワインはグラスで飲みますから、気になることはないかもしれませんが、白い服や布を汚してしまったときに塩水は効果あるかもしれません。

このような効果がありますので、塩が入った歯磨き粉は古くからあります。歯磨き粉は江戸時代から販売されていますが、塩と指(房楊枝を使わない場合)で歯を磨く習慣は江戸時代から一般的でした。

歯科医院で行なうクリーニング

歯、歯茎の着色や汚れは、いくら丁寧にみがいても、ご自身の歯みがきでは落としきれない汚れがあります。

頑固な着色や汚れも「歯科医院で行なう歯のクリーニング」ならば、すっきりときれいに落とせます。歯科医院での歯のクリーニングは、歯の表面にこびりついてし まった汚れや、歯と歯茎の間に溜まっている歯垢を、専門の器具や機械で取り除く治療法です。

歯の表面の着色や歯垢、歯石は、ご存知の通り、虫歯や歯 周病の原因になります。特に歯石は、歯みがきで落とすことはできません!虫歯や歯周病を防ぐためにも、見た目を美しく保つためにも、ご自身では落としきれない着色や汚れ、歯垢、歯石は定期的に歯科医院でケアしましょう。

クリーニング後のPMTCでツルツルの歯に・・・

さらに歯をツルツルにまた、白く見せたいという方には、クリーニング後のPMTC(プロフェッショナルメカニカルティースクリーニング)がオススメです。PMTCとは、歯と歯の間や歯と歯肉の境目など、自分では落とせない歯の隙間の汚れを落とし、さらに歯の表面についてしまったワインやコーヒー、紅茶などの茶渋、タバコのヤニなどの着色汚れなどを取り除く治療です。

さらに、歯の表面を研磨してフッ素の塗布も行ないます。フッ素を塗布することで歯の表面がなめらかになり、ツヤのある美しい歯に仕上げます。

歯の表面がツルツルになると、汚れが付きにくくなり、虫歯予防にもなります。

歯の色を白くする方法「ホワイトニング」

歯の本来持っている白さ以上に白く、さながら芸能人のような歯にしたいときに行うのがホワイトニング。現在では、芸能人だけでは、ありません。
先日、ハワイに行ったのですが、現地のブライダル系の人達の歯の白さには驚きました。
みんな、真っ白でした。

一昔前は、歯の表面を削って白く見せるという手法がわりと一般的でしたが、歯を削るのはよいことではありません!虫歯の治療でも、できるだけ削ら ない、ことが歯の健康、後の生活においても非常に重要です。(私の歯科医院のポリシーは、できるだけ削らない!抜かない!神経を残す!です。)

歯磨きでもどうにもならない!歯医者さんでホワイトニングをしたい!と思われている方は、ホワイトニングが実際どのようなものなのかまでは、把握されていないことでしょう。

おそらく衣類の洗剤のように「漂白」する歯専用の特別な薬剤を使うと思われているのではないでしょうか?それは、あくまでクリーニング・洗浄で、ホワイトニングは一般的な漂白とは異なります。

ホワイトニングとは、歯の表面の色素を無色透明にしたり、歯の表面構造を変化させることで白くみせるのです。

ホワイトニング剤には主成分として過酸化水素や過酸化尿素が含まれています。これらは高温になると酸素と水に分解されるのですが、その際に酸素が発生します。その酵素が歯のエナメル質の色素と結びつき、色素を無色透明に分解します。歯の表面のエナメル質を構成している成分はほとんどが無機質なのですが、わずかに有機質の部分があります。その有機質の部分を白くするのです。

また、過酸化水素や過酸化尿素はエナメル質の表面構造を角状から球状に変化させ、光の乱反射を起こすことにより、象牙質が透けて見えなくなります。これを「マスキング効果」といいますが、歯が本来の色よりも白く見えるようになります。身近な例えでいいますと「すりガラス」です。イメージできたと思います。

ホワイトニングは半永久的なものでございません。

一旦歯が白くなると、後はずっと白い歯が続くと思うと思いますが、残念なことですが、きれいな歯も時間とともに再び以前の状態に少しづつ戻ってし まいます。その原因は汚れや色素の再付着とホワイトニング効果の後戻りがあります。

これらは、何回かのお手入れ次第で防止できますので、白い歯を手に入れたら次は長持ちさせるように定期的に歯科医院に通うことが必要になります。

もちろん、ホワイトニング効果を長持ちさせる特別な方法はございます。

ホワイトニングの前に健康な歯を!

ホワイトニング効果を長持ちさせる方法ですが、これは歯科医院によって手法はさまざまです。長持ちさせたくない→多く通ってもらいたいという歯科医院もあることでしょう。

高倉歯科マインドクリニックでは、できるだけ長持ちさせるホワイトニングをいたします^^

まずは、健康な歯の状態にしましょう。虫歯がある人、気になるところがある人は、歯医者さんに診てもらいましょう。

私は、ホワイトニングのために歯医者に通っていただくのではなく、歯の健康のために予防歯科に定期的に通ってほしい!というのが歯科医師としての本音です。

でも、白い歯の人は、好感が持てるのも事実です。


歯の詰め物や被せ物の寿命を数十年にするために必要なこと。被せ物が取れたら放置してはいけません。

虫歯の再発防止と歯に詰める物や被せる物について

虫歯の治療をしたのに、虫歯がまた再発した、詰めたものが取れてしまった、被せていたものが割れてしまった・・・こんな話を耳にしたことがある、または実際に経験お持ちの方いらっしゃることでしょう。せっかく治療したのに、また治療なんて・・・イヤですよね。

何度も治療をするということは、それだけ歯を削るということ。つまり歯が無くなるまでの期間、寿命が短くなります。

例えば歯を削って詰め物を入れます。数年後詰め物がきちんと合っていないために虫歯になってとれてしまいます。そうするとまた歯医者に行き、歯をけずりまた詰め物を詰めるそれが何度も繰り返される度に歯の削られる部分が多くなってしまいやがて神経を処置せざる得なくなります。

さらには神経をとると歯は、よく「枯れ木」に例えられます。枯れ木は一見丈夫そうにみえますが、中は栄養が行き届いていないのでもろくなっています。 生きている歯の神経は常に歯の硬さや再生を支配しています。
歯の神経が死んでしまうという事は、その歯に栄養分が行かなくなってしまいます。従って弱くなり、割れやすくなります。 暫く神経を処置した歯をそのままの状態で使っているともろくなっているので人間の噛む力は自分の体重分位噛む力が強いので、今度は歯にヒビが入って来ます。
歯がヒビがはいりますと、これは大変です。最悪は歯を抜かざる得なくなります。(俗に歯牙破折と呼ばれています。) これが歯の寿命が短くなる原因にもなります。

歯の被せ物が取れたら放置すると、そこから虫歯になったり、余分な負荷がかかり歯が割れてしまう可能性もあります。

歯の被せ物が取れたら放置してはいけません

たまに、歯の被せ物がとれたままにする方がいらっしゃしますが、そのままにして、なるべく強く咬まずに歯科医院で診てもらってください。

確かに虫歯はすでに除去しているので、問題ないのですが1番の心配は、歯が割れてしまう事です。

削ったをそのままにしておくと、歯が割れてしまうリスクが大きくなります。
その結果、周りの組織も感染を起こして溶けてしまうので、ひどいケースでは歯を抜かざる得なくなります

なので、歯の被せ物が取れたら必ずかかりつけの歯医者にいくようにしてください。

治療した歯が何度も悪くなる原因とは?

治療した歯が何度も悪くなるのは、ぶっちゃけ、治療法が悪いという事になります。しっかりとした材料を使い、きちんと治療してあげれば、治療した歯が何度も悪くなる事はありません。

治療したものがダメになる理由は大きく分けると2つあります。

  • まず歯みがきがきちんと出来ていない
  • 詰め物や被せ物が歯にぴったり合っていない

正しい歯の磨き方をしている人が少ない!

きちんとした歯磨き。これは、皆さんが考えているよりかなり難しいと言われています。一生懸命に磨いてもお口の中の汚れは、約20%は磨き残しがあると言われています。これはお口の中の面積での話なので、イメージが湧かないと思いますが、28本ある歯のうち数本は磨けていない、磨いていないのと同じといえます。勿論、磨けていない面積の話になりますが。

歯の正しい磨き方を身に付ける方法とは?

では、どうしたら歯磨きが十分に出来るようになるのか?
プロに教わるのが一番です。 正しい歯の磨き方というのは、実際は人それぞれなのです。
人によって歯並び、歯の生え方、形、大きさは様々です。つまり上手く磨けない部分は人それぞれです。ですから、自分にとって正しい磨き方はオリジナルなのです。

歯の正しい方は歯磨きの専門家に習うのが一番の近道

例えば、歯科衛生士などですね。
1度習ってしまえば、あとは勉強と同じで応用です。

具体的には、習った事を何回も復習する。復習を続けていけば、自ずと身についていくものです。
先ずは習う、これがきちんとした歯磨きが出来るようになるために必要です。
だからこそ、歯科衛生士という資格があり、職業があるのです。歯科衛生士は、いわば歯ブラシの勉強の先生みたいな存在です。生徒にあった歯みがきの仕方を教えてくれます。
ですから、歯みがきを習うのは、是非、衛生士の資格があるベテランに習うのがわかりやすいと思います。 歯みがきが不十分ですと、健康な歯でも虫歯になる可能性はあります。お口の中には虫歯にするばい菌が常にいますからね。毎日歯みがきをがんばっているのに何故か何度も虫歯になってしまう・・・この場合は、詰め物、被せ物に原因がある可能性が高いです。

虫歯の再発を招いてしまう詰め物と被せ物とは?

詰め物や被せ物が歯にぴったりと合っていないと、隙間や引っ掛かりが生じます。これは、ご自分で気づけないくらい小さく、ばい菌のすみかができてしまい、虫歯になってしまいます。
つまり、詰め物や被せ物が、限りなく精巧につくられて、ぴったりあっていれば,ばい菌が入らなくなりよいのです。
しかし、これを作るのは簡単なことではありません。
それは医院により被せ物や詰め物の精度も違います。もちろん医院の考え方も違いますので、新しい方が良いと思っている歯科医院もあるでしょう。

歯にぴったりと合う詰め物、かぶせ物の製作に欠かせないこと

歯医者でむし歯の治療で歯を削られてから「次に型をとりますね」と言われた記憶、きっとおありでしょう。 この型を歯科用語で『印象』といいます。 歯の詰め物や被せ物を作る時に大切な事は、お口の中から外すときにゆがまない型を採る事、つまり精密な『印象』を採る事なのです。

精密かつ正確に製作することは難しい!

ここで、詰め物や被せ物の製作手順を説明いたします。

  1. 型を患者さんからとります。
  2. 採った型に石膏を継ぎます。ここで、模型とよばれる詰め物や被せ物を実際につくる物体が出来上がります。
  3. 模型をもとに、技工士さんや医者自身がワックスとよばれる、ろうそくの材料で詰め物や被せ物を作ります。
  4. 鋳造とよばれる作業で実際に金属に被せ物や詰め物を代えていく作業です。
  5. 研磨、鋳造して出来上がった詰め物や被せ物をピカピカに磨く作業です。

こうして、患者さんのお口の中に入れる詰め物や被せ物が出来上がります。
これだけ多くの工程を経るわけですから、『印象』が少しでも歪んでいればば、工程を経るたびに歪みが大きくなっていきます。
どんなに一生懸命につくっても『印象』が歪んでいますと、実際患者さんのお口の中に入れてみますと、ガタついていて細かいところに隙間が出来たりしました。ましてや入らないこともありました。
『印象』の精密さが、詰め物、かぶせ物がお口に合うか合わないかを決定します。それほど『印象』は重要です。

精密な『印象』を、何でつくるべきなのか?

『印象』は型ですので、その型が変形してしまっては元も子もありません。しかし、変形して歪んでしまいがちなのです。それは、歯と歯肉にはそれぞれゆるいカーブを描いているからです。従って型を外す時は弾力性が必要になります。この弾力性がしっかりと元の位置に戻らないといけないのです。

ですから弾力性と形状を保持できるか否かがカギですので、『印象』の素材選びが、とても大切です。『印象』の素材のことを印象材といいます。

色々な印象材がありますが、型をお口の中から外した時に比較的安定しているのは、現在では、シリコンとよばれるゴムの『印象材』です。
シリコンは、通常、固まるまで時間がかかるし、素材の値段としては高いなどの欠点もありますが、歯にピッタリした被せ物をつくるためにはベストな素材だと思います。

実は私も昔、寒天とよばれるゼラチンに似たものとアルギンとよばれる海藻からできている材料を合わせて印象を採っている時期もありました。詰め物や被せ物は、やはり満足出来る物ではありませんでした。

保険診療でも『印象材』にはこだわる必要があると思います。

自費診療においては保険対象としては認められていない技術や機器を使えますので精密な『印象』つくりは当然なのですが、国が認めている範囲内でしか行えない保険診療でも精密さにはこだわるべきです。

保険診療で使用できる印象材は、決まっています。
しかし、残念ながら、その材料では、精密さ、正確さの面で限界があります。ですから、赤字になったとしても、歯科医師は、印象材にはこだわるべきなのです。
もちろん保険制限内で、保険適用されない高価な材料を使えば使うほどコストはかかります。ですから、コスト度外視での提供はできません。
しかし、最低限、ここだけは身を削ってでも抑えておきたい、それが印象材だと思います。

詰め物や被せ物の未来

現在、マイクロスコープという歯科顕微鏡がありますので、詰め物や被せ物が精密に作られたかどうかを患者さまご自身の目でご確認いただけるようになりました。 マイクロスコープの倍率は、通常の技工士さんがつくるのに使う顕微鏡より倍率が高いので、保険診療で詰め物や被せ物をつくった場合は、ちょっと見せたくない部分もでるかもしれません。。。 でもしっかりと患者さんにはお見せする必要はあると思います。

肉眼レベルで見えなかったものまで、患者さんご自身の目でみることができる、これからは、そういう時代なのです。ごまかしは通用しません。歯科医師も技術を磨いて、より高度な治療を提供しないといけません。

技術といえば、最近の注目は、コンピューターでスキャンして作る、CADCAMという機械も出てきています。(最近、保険導入されました。)精度は残念なことに今1つ悪いのが現状(つまりすき間だらけです。)ですが、今後数十年後には、かなり精度が高いスキャナーが出て来る時代だと思います。
最近では3Dプリンターも話題ですしね。私も今後の詰め物や被せ物の精度をみてこれからは必要な機械であれば使っていきたいと思います。今現在では、コンピューターには負けていません(笑)

時代は常に変化します。良い方向にも悪い方向にも代わっていきます。私達、歯科医師は、常に患者さんに良いものを出来るだけ安く提供出来れば良いのですが、残念なことにそれでは価格競争に飲み込まれてしまいます。吉野家の良い点、安くて上手くて早い。これが患者さんが望む事ではないのかな?と思います。 ただ、現時点の保険制度では、これが難しいのが現状です。

ちょっと高いが、上手で早い。これが患者さんが望む歯科治療ではないでしょうか?

被せ物や詰め物が精巧につくる事が出来れば、トラブルなく何十年と治療した歯が持ちます。

自分が治療した歯がダメになってしまうのは、歯科医師として恥ずべきこと。 私は、心からそう思っています。

歯の寿命について


歯の神経を抜くと言われた方へ!歯医者が教える神経を抜く治療方法と痛みについて

歯の神経を抜いてはいけません!!歯の神経はとても大切です。

歯は残したほうがよいというのはご理解いただけると思います。しかし、抜いても入れ歯や差し歯、インプラントをすればよいとお思いではありませんか?むし歯の治療で、気軽に歯の神経をとっちゃいますね!なんていう歯科医師もいますが、歯の神経を残すことは本当に大切なことなのです。

歯の神経

神経の有る歯と無い歯では何が違うのでしょうか?

歯の神経がなくなると、歯が温かい・冷たい・しみる等が感じられなくなります。ですから、神経の有る歯より感覚が鈍いので、気づいた頃には神経の有る歯より虫歯が広がっていて状態が悪いことが多く見受けられます。

そして、神経がなくなった歯は通常、根にお薬を入れて治療されています。この状態の歯は健康な歯にくらべて乾燥してしまいますので、神経の有る歯より歯がもろくなり割れやすくなってしまいます。そして、割れてしまった歯の多くは抜歯されてしまいます。こうして、歯の神経が無くなると歯が抜かれてしまうまでの期間が短くなります。個人差はありますが、失った歯が増えるほど残った歯の負担が増えて、残った歯が割れたりしてダメになる速度が速くなり、どんどん歯が無くなっていく傾向があります。

なので、歯の神経を抜くと、「どんどん歯を抜かれしまう悪循環」になりますので、
できるだけぬかないようにしてください。

神経を抜かないといけないのはどんなケースか?

・神経が膿んでしまい、触るだけでも痛い場合。
 歯髄壊死、もしくは、歯髄炎の状態。

・さらに痛みを我慢して、もう既に神経がなくなっている場合。
 属に歯髄壊死、感染根管ともいいます。

・外からの強い衝撃で歯が割れてしまって、神経がむき出しの状態になり、感染を起こしてい
 る場合。

いずれにしても、神経を処置しないと次の治療に進めない場合です。

実際に神経をとらないといけない場合、どの程度痛いのか?

実は歯の神経をとる場合、痛みはほとんどありません。

当然の事ですが、神経を処置するためには、麻酔が必要です。
しっかりと麻酔を効かしてあげれば、痛みは感じなくなります。
後は、神経を取る処置を神経を残すことなく取り切ることが大事です。
神経をきちんと取り切らないと、残髄炎というまた別の痛みが出てきます。

神経を取るのは、非常に簡単な治療です。
1回目は、麻酔と、マイクロスコープなどを利用して、神経を削除し、神経が入っていた場所の清掃、消毒、形成を行います。
2回目に、薬を入れて治療後の保護をします。
神経を取る手術は合計2回で終了します。

ただ、治療はこれだけで完了しません。(ここが、神経を抜く一番大変なポイントです。)
神経が無い歯は、非常にもろいので、補強を継続的にしていく必要があります。
この補強作業がそこから数回かかり、その分、費用も必要です。

(結論)虫歯で神経が無くなり、ついには歯を抜かれてしまうような悪循環にならないようにするためには?

大事なのは、定期的の歯科健診をして歯の磨き方を習ったり、虫歯を作らせないこと。そして虫歯を大きくしない事。(きっぱり)

その為には、ご自分でお口の中をコントロールできることが大切です。そして、虫歯が出来ても大きくなる前に治療することが出来れば大掛かりな治療にならずに済んでしまうことが多いのです。

また、しっかりと磨く事で、小さいを虫歯を消してしまう事もあるんですよ。

定期健診で歯磨きの仕方を振り返っててみたり、お口の中のメンテナンスをしてみませんか?予防に勝る治療はありません!

予防歯科という言葉も理解され標準になって来ました。昔では考えられない現象です。

難しい問題もあります。本来、予防歯科は、人間ドックと同じく自由診療に分類されます。

ただ、実際の診療現場では、歯周病と傷病名を付けてクリーニングしている歯科医院もあるようです。

この判断は実際には、歯周病になったら、歯周病自体、完全に治る即ち、完治する病気ではないので、何時でも傷病名をつけて治療する事は、理論的には、間違いではありません。
従って保険診療の適応にはなります。

しかし、予防歯科の定義では、自由診療。矛盾点は、実際あります。

矛盾点を直していけたらば、良いのですが、これからの歯科医院のあり方ですね。

 

当院のコダワリ・ポイント

では、現在すでに虫歯が大きい時はどうすればよいでしょうか?

他の歯医者さんで歯の神経を保存できないような状況と言われても諦めないでください。患者さんご自身も出来ることなら神経を抜きたくないと思われる方もいると思います。

その様な時に当院で適用しているのがMTAでの治療法です。

MTAとはMineral Trioxide Aggregateの略で、1990年代初頭にアメリカで開発された歯内治療用材料です。1998年にProRoot MTA(Dentsply Tulsa Dental)として製品化され様々な臨床応用が認められているのですが、日本国内で歯科用覆髄材料として薬事承認されたのは2007年4月と比較的新しい治療材料です。

ProRoot MTA(Dentsply Tulsa Dental)

このMTAをどのように治療に使うかといいますと、MTAと精製水を適切な配分で混ぜて神経、もしくは神経の近いところに塗ります。そうすると虫歯のバイ菌だけが死滅します。つまり神経のある歯は、神経を取らないで済むのです。

MTAは、強いアルカリ性で、ばい菌だけを殺し歯の神経を保存できるのです。すごく簡単に説明になってしまいましたが、実際は神経の炎症状態を見極めないといけないので、ちょっと難しいです。

そんな難しいMTA治療ではありますが、肉眼で見えないところまで確認できる歯科用マイクロスコープであればMTAを最大限に活かすことができる治療が可能です。

いや、歯科用マイクロスコープなければ、この治療は不可能です。不可能は言い過ぎかもしれませんが、治療に100%はありえません。ただ最大限そこに近づける治療が可能になる、これだけは確かです。

このMTAというお薬を使うことで歯の神経を残し、20年,30年後もご自分の歯で元気に生活できるよう、今ある歯を残していくため大きな助けとなっています。

ただ1つ残念な事ですが・・・MTAを使用する治療法は、現在保険診療には適応されていません。従って、被せる歯の詰め物も自由診療になります。

保険が適用できない分、費用はどうしても高額になってしまいますが、20年,30年後も自分自身の歯で生活できることの意味をじっくり考えてみてください。


歯の減りの治療とナイトガード、リカンタリング

ナイトガードについて

ナイトガードとは、就寝中である夜(ナイト)に歯ぎしりを予防(ガード)するためのマウスピースの呼び名です。

歯ぎしり予防のためのマウスピース

ですので一般的な歯科医院のナイトガードは、歯ぎしりの防止、歯ぎしりによって歯周組織への過度の負荷がかからないようにすることを目的としています。歯ぎしりは、食事をする際の2倍の力で噛みしめているともいわれています。当院のナイトガードは、その目的と考え方がちょっと違います。

歯ぎしりの原因で、唯一わかっているのはストレス(現代の悩ましい社会では仕方ない事なのですが。)です。後は、噛み合わせの問題もあるでしょう。おそらく様々な原因があり明確な答えを出すのは難しいと思います。

歯ぎしりは就寝中に起きるわけですが、REM睡眠中、つまり浅い眠りの時に起きるといわれています。歯ぎしりの原因としてあげられているストレス、そして夢が関係しているのでしょうか。歯ぎしりをやめたい、と言いましてもこれは現実的に難しい事です。

そもそも歯ぎしりって悪いことなのでしょうか?

実は、程度の差はあれ、人間は皆歯ぎしりをしているのです。英語ではブラキシズム(Bruxism)といいます。

モノを噛む筋肉というのは、無意識に動く筋肉も含まれています。

歯ぎしりが気になる、という方は、ご自身での自覚でなく、ご家族や恋人に「うるさい」と言われたためではないでしょうか。

人間が無意識に行っている行動には、必ず意味があります。歯ぎしりをすることにも意味があるはずです。近年よく言われているのが、睡眠中に胃から喉に向かって上がってくる胃酸を中和するために唾液を出すために、歯ぎしりをするという説です。逆流性食道炎の人は、歯ぎしりをよくするといいます。逆流性食道炎を抑える薬を服用すると歯ぎしりが減ったという話もあります。

確かに理にかなっていると思います。であれば、自己防衛本能に基づいた行動、つまり歯ぎしりはよいこと、といえますね。しかし、歯ぎしりは、体の不調を訴えるサインともいえますね。

よい歯ぎしりと悪い歯ぎしり

歯ぎしりが人間が睡眠中に行う生理現象であっても、奥歯がすり減って平たくなってしまうような歯ぎしりは歯にとってよくないことです。それに、そこまで力が強いとなると、顎、首、肩に相当な負担がかかっていることでしょう。歯ぎしりが実は肩こりの原因ということもありえるはずです。

歯ぎしりの仕方に問題がある場合、その原因はおそらく歯ではありません。先ほど述べたストレスであったり、胃酸過多の可能性もあります。遺伝が原因説もあります。本当の原因はわかっておらず、人によって様々な原因があるのでしょう。人によって異なるとはいえ、原因がわかり解消されたら、ひどい歯ぎしりはしなくなるかもしれません。

歯に過度の負担をかけない歯ぎしりは、よい歯ぎしりともいえると思います。

歯をすり減らしてしまうような強い歯ぎしりは、悪い歯ぎしりともいえるでしょう。

例えばですが、高価な詰め物、被せ物(クラウン)をされている方、インプラントで高価な被せ物を入れていらっしゃる方、歯ぎしりが原因で割れたり、欠けたり・・・なんてこともあるかもしれません。

ナイトガードを実際に付ける場合

ナイトガードを実際につける場合、最初は誰もが抵抗があると思いますが、効果的に使えば良いものなのでぜひ検討される方は参考にしてみてください。

目的によってことなるナイトガードの種類

先ず、ナイトガードを作る気になったら歯型を取らなくてはなりません。
ナイトガードは2つの種類があり、目的によって取るべき型が違います。

1つ目は、くいしばり防止の為に使用するケースです。
この場合は、上の歯型のみ型をとります。

2つ目は、くいしばり防止に加え、歯を減らさず、顎の安定も図るケースです。
この場合は、上の歯型だけでなく、下の歯型、更には咬みあわせまで取る必要があります。

ナイトガードとマウスピースは全く別のものです

余談ですが、稀に「ナイトガードとマウスピースは一緒ですか?」聞かれることがあります。

確かに、ナイトガードとマウスピースは、歯を守るという点では、ほぼ同じ役割です。
ただ、
ナイトガードは、自分の咬みあわせから歯を減らさず、顎の安定、を目的としているのに対して、
マウスピースは、外部の衝撃から歯を守るという目的で利用されます。
なので、マウスピースは、外部の力を緩和するために厚み、柔らかさが全く異なります。
ボクシングの際に口に入れる物はもちろんマウスピースです。

ナイトガードに保険は適応可能なケースが多いです(一部ケースを除く)

初めてナイトガードを利用される方が気にされるのは、費用面かと思います。

ナイトガードを利用する際、くいしばりの強い方は疾患として扱われますので、保険適応になります。
一方で、将来的に予防の観点で装着するナイトガードは、自費になります。

保険適応化どうかの判断は、通院される歯医者さんが決めるかと思いますので聞いてみてください。
ただ、個人的には、ナイトガードの利用する必要がある方は、疾患として扱われるケースが多いかと思います。(※詳細は通院される歯医者さんへ)

歯科医師として出来ることは、歯の減りを予防するための提案です。

仮にストレスが悪い歯ぎしりの原因だとしても、歯科医師としてストレスをとることはできません。食生活や生活リズムの改善を奨めることは出来ても、これは誰でも言えることです。

歯科医師としてできることは、歯ぎしりによる歯の減りをできるだけ少なくするということです。

それがナイトガードです。当院のナイトガードの目的は、歯ぎしりの予防ではなく、歯の減りを無くしていくこと。これに尽きます。

夜、寝ていて食いしばったり、歯ぎしりをすると、上下の歯が強い力で擦れて行きます。 つまり、歯はどんどん減っていきます。減ると奥歯は段々と平らになっていきます。また、同じように前歯も減ります。

歯周病や虫歯も高度な治療方法や予防処置により抜歯することなく残すことができる様になった現在、将来の歯の健康を考えた場合、気になるのは上下の歯の減り方です。

歯というものは、人間だけでなく動物もみな同じなのですが、徐々にと減っていくものです。 ですから、それを少しでも減らそうというのが、当院のナイトガードの本当の目的です。

食いしばりや歯ぎしりによる歯の減りを軽減させるために夜間の就寝中にナイトガードを装着していただきたいですね。

当院オリジナルのナイトガードは、常にきちんと全部の歯が当たる様に調整されています。勿論、一定の期間を設けての点検も行ないます。

ナイトガードが、顎の関節症状の改善にも繋がる場合も見受けられます。(これは、経験から来るものですが…)

ここで余談ですが、人の歯の硬さは、実は、鉄よりも硬いのです。歯の表面のエナメル質は、ほぼ水晶と同じ位の硬さなんです。(ちなみに硬さを表すのに、モース硬度というのがあります。鉄のモース硬度は5,歯のエナメル質は、硬度7です。硬度10は、ダイヤモンドです。つまり歯は硬いんですよ。)

顎の関節症状の改善も少しは期待できるという意味でも、歯の減りを軽減する目的では、ナイトガードをお薦めします。ナイトガードが歯の減りを少しでも減少させてくれたら幸いです。

人間の歯の中で一番大切なのは、ズバリ「奥歯」です。

奥歯は前歯に比べて頑丈と思われがちですが、なんと前歯とくらべて平均寿命は約10年も短いんですよ。ものを噛むときに奥歯にかかる力は体重と同じくらいです。奥歯一本失うだけで、噛む力は一気に落ちます。つまり、食事の消化、吸収にも悪影響がでます。そして、噛む力と脳は密接な関係にあります。歯の残数と認知症の関係も近年では多く報告されています。奥歯を失うと、体全体に影響が出る、というのは言い過ぎではありません。

最後に忘れてはいけないのは、奥歯は顔の表情をつくる上でも重要です。顔の輪郭を形成するのは顔の筋肉です。しっかり噛むことができれば、顔の筋肉も衰えません。表情や笑顔にハリを与えるのが健康な奥歯です。

そんな大切な奥歯を、出来るだけ永く残してあげたいのです。

では、減った前歯は、どうなるの?

前歯は、奥歯と同じように減ると薄くなります。(奥歯は平らになりますが上の前歯は、裏側が減ります。)

薄くなった前歯は、欠けていきます。これは、結構みっともなくなります。(きっぱり)そこで、当院では、リカンタリング(recontouring)という治療をしています。

contouringとは輪郭削りの意味で、それをre-contouring、つまり再形成するのです。このrecontouringを歯科では形態修正の意味で使います。

具体的には、リカンタリングという治療は、薄くなってきた前歯を削って、厚みを出し、隣の歯と切端を並べる治療の事です。(審美歯科治療としては、定着しています。)外国人の人で、前歯から糸切り歯の手前まで、真っ直ぐ綺麗に並んだ歯をみる事がありますよね。

特に、肉食系の外国人は、前歯で肉を食いちぎる為に、薄くなる前から、前歯の先を削って厚くしておく場合もあります。

歯を削って並べるのが良いとされている人も多いようです。(文化の違いですが、海外では、ギザギザの歯は幼いと見られて、嫌われています。)

最近、日本でも外国人の真っ直ぐに揃った歯を羨ましく思う人も多くなってきています

でも、前歯も出来れば、リカンタリングしたくないですよね。

とにかく、歯を減らさない!!

これにつきます。