「矯正中なのに、なんで歯がこんなに痛むの?」「見た目は何ともないのに、どうして顔全体が痛いの?」
もしかすると、あなたも同じような悩みを抱えていませんか?実は、見た目には全く問題がなく、通常のレントゲン検査でも異常が見つからない歯の痛みでも、最新のCT診断技術により根本原因を発見し、完全に解決できることがあるんです。
今回は、当院で実際に治療した患者様の体験談をもとに、矯正治療中に発生した原因不明の激痛が、どのように診断され、どのように治療されたかを、患者様の心境も含めて詳しくお話しします。同じような症状でお困りの方に、「諦めなくて良いんだ」ということをお伝えできれば嬉しいです。
今回ご紹介する患者様は、もともと軽い咬み合わせの違和感をお持ちでした。「奥歯に時々、重い感じがするんです」とおっしゃっていて、以前通われていた歯科医院では「嚙み合わせの問題でしょう」と診断され、ナイトガードで対処されていました。
「ナイトガードをしていると確かに楽になって、痛みもほとんど感じなくなったんです。だから、これで大丈夫だと思っていました」と患者様は振り返ります。
そんな中、前歯の歯並びが気になるようになり、「せっかくなら綺麗に並べたい」との希望で矯正治療を開始されました。最初は「前歯だけの部分矯正だから、奥歯の痛みには関係ないだろう」と思われていたそうです。
矯正装置を装着して約2ヶ月が経った頃、患者様は異変に気づきました。
「最初は『矯正の痛みかな?』と思ったんです。でも、前歯の矯正なのに、なぜか奥歯の方が痛む。しかも、以前の軽い違和感とは全く違う、重く鈍い痛みでした」
矯正治療中はナイトガードが使用できません。なぜなら、歯を動かすためには24時間継続的に力をかける必要があり、ナイトガードがその動きを妨げてしまうからです。
「先生から『矯正中はナイトガードは使えません』と説明されていたので、仕方ないと思っていました。でも、日に日に痛みが強くなって…」
治療開始から3ヶ月目に入ると、患者様の症状は明らかに悪化していました。
「朝起きた時から、左の奥歯がズーンと重い。昼間も常に違和感があって、夕方になると左の頬全体が痛むようになったんです。『これは明らかにおかしい』と思いました」
特に辛かったのは、痛みの原因が全く分からないことでした。
「矯正の先生に相談しても『見た目は問題ない』と言われ、別の歯科医院でレントゲンを撮ってもらっても『特に異常は見当たりません』と。でも確実に痛いんです。『気のせい』とか『ストレス』とか言われると、本当に辛くて…」
患者様は当時の心境をこう話してくださいました。
「自分でもおかしくなったのかと思いました。でも痛いものは痛いし、日常生活にも支障が出始めて。仕事中も集中できないし、食事も左側では噛めない。『このまま一生この痛みと付き合っていくのかな』と不安で仕方ありませんでした」
当院を受診された時、患者様の歯を拝見しても、確かに外見上は全く問題ありませんでした。歯茎の腫れもなく、歯の色も正常で、一般的な視診では異常を見つけることは困難な状態でした。
しかし、患者様の症状の訴え方や痛みの性質から、歯の内部、特に歯髄(神経)に何らかの異常が起きている可能性を強く疑いました。
歯の神経は、歯の最も内側に位置しているため、外から見ても状態を確認することは不可能です。しかも、神経の炎症初期段階では、歯の表面に変化が現れることはほとんどありません。
「『歯の中で炎症が起きている可能性があります』と説明された時、正直『え?見た目は何ともないのに?』と思いました。でも、症状を詳しく聞いてもらえて、『気のせいじゃない』と分かってもらえただけで、すごく安心しました」
多くの歯科医院では、パノラマレントゲンやデンタルレントゲンといった二次元の画像診断が標準的に行われています。これらの検査は確かに多くの歯科疾患の診断に有効ですが、残念ながら万能ではありません。
実際に患者様にも通常のレントゲン撮影を行いましたが、やはり明らかな異常は確認できませんでした。
「『レントゲンでは分からない病気もあるんです』と説明された時、『医療技術って完璧じゃないんだな』と思いました。今まで『レントゲンを撮れば何でも分かる』と思っていたので、驚きでした」
通常のレントゲンで確認が困難な病変:
患者様のケースでは、まさにこの「レントゲンに写らない初期の歯髄炎」が起きていたのです。
診断を複雑にするもう一つの要因が、非歯原性歯痛の存在です。これは、歯には全く問題がないのに歯が痛む病気の総称です。
種類 | 原因 | どんな痛み? |
---|---|---|
筋肉の疲れによる歯痛 | 噛む筋肉の疲れやコリ | ずーんと重い痛み |
神経のトラブルによる歯痛 | 顔の神経が傷ついている | ビリビリ・ピリピリした痛み |
頭痛からくる歯痛 | 偏頭痛などの頭痛 | ドクドク脈打つような痛み |
鼻の病気による歯痛 | 蓄膿症などの鼻づまり | 上の奥歯全体がジンジン痛む |
「『歯以外が原因で歯が痛むこともある』と聞いた時は、『え?そんなことがあるの?』と驚きました。人間の体って本当に複雑なんですね」
ただし、患者様の場合は、矯正治療開始というはっきりとしたきっかけがあり、痛みの範囲も特定の歯に限局していることから、歯髄炎の可能性が高いと判断しました。
通常のレントゲンでは限界があることをご説明し、より精密なCT撮影をご提案した時の患者様の反応は印象的でした。
「正直、費用のことは気になりました。でも、もう何ヶ月も原因が分からない痛みに悩まされていて、『このまま一生分からないまま』と思うと怖くて。『少し高くても、原因さえ分かれば治せるなら』と思って、お願いしました」
CT撮影は現在の保険制度では、根管治療の診断目的では適用外となっています。しかし、正確な診断のためには不可欠な検査です。
当院で使用している歯科用CTは、0.076mmという超高解像度での撮影が可能です。これは髪の毛1本程度の細さまで識別できる精密さです。
「CT撮影自体は、思っていたより簡単でした。すぐに画像を見せてもらえました。パソコンの画面で、自分の歯の内部を見るなんて、SF映画みたいでした」
撮影後、画像解析を行った結果、ついに原因が判明しました。
CT画像を詳しく解析すると、問題となっている歯の根の先端(根尖部)に、通常のレントゲンでは確認できないほど僅かな炎症反応が確認されました。
「画像を見せてもらった時、『こんなに小さな変化で、こんなに痛むの?』と驚きました。でも同時に、『やっと見つかった!』という安堵感でいっぱいでした」
CT画像で確認された所見:
これらの変化は本当に微細なもので、症状の重篤さに比べて画像上の変化は軽微でした。これは逆に言えば、早期発見ができたということを意味していました。
「『早期発見できたので、治療も比較的簡単で済みますよ』と言われた時は、本当にホッとしました。『もっと悪くなる前に見つかって良かった』と思いました」
CT診断により歯髄炎が確定したため、根管治療(歯の神経を取る治療)を行うことになりました。治療開始前に、ラバーダム防湿という処置について説明しました。
「『治療する歯以外を薄いゴムで覆います』と説明された時は、『そんなことまでするの?』と驚きました。でも、『細菌の侵入を完全に防ぐため』と聞いて、『すごく丁寧にやってもらえるんだな』と安心しました」
実際にラバーダム防湿を行うと:
「口の中がとてもすっきりして、唾液も気にならなくなりました。『こんな方法があるなんて知らなかった』と思いました。後で聞いたら、日本ではあまり使われていないそうですね。もったいないですよね」
治療開始前のCT画像解析により、該当する歯には2本の根管があることが事前に分かっていました。
「『この歯には神経の通り道が2本あります』と説明された時、『そんなに複雑になってるの?』と驚きました。『もしCTを撮らなかったら、1本だけの治療で終わってしまって、もう1本が残ったままになるところでした』と聞いて、ゾッとしました」
根管の数は歯の種類や個人差により異なり、見落としがあると治療の失敗につながります。事前のCT診断により、このようなリスクを完全に回避できました。
いよいよマイクロスコープ下での治療開始です。歯に小さな穴を開けて内部を観察すると、予想通り歯髄は炎症により変色していました。
「モニターで歯の内部を見せてもらった時、本当にびっくりしました。健康な歯髄はピンク色なのに、私の歯髄は茶色く変色していて、『こんな状態だったから痛かったんだな』と納得しました」
観察された歯髄の状態:
「2本とも同じように炎症を起こしていて、『放っておいたら、もっとひどくなっていたかも』と思うと、早めに治療してもらって本当に良かったです」
根管治療当日、患者様は治療後の変化に大変驚かれました。
「麻酔が切れた後、『あれ?痛くない?』と思いました。あれだけ悩まされていた重い痛みが、本当に嘘のように消えていて、最初は『本当に治ったの?』と信じられませんでした」
歯髄炎による痛みは、炎症を起こした歯髄が歯の内部で圧迫されることで生じます。根管治療により歯髄を除去することで、この痛みの原因が根本的に取り除かれるのです。
「今まで何ヶ月も『左側で噛めない』『顔全体が重い』という状態だったのに、治療のその日から『あ、普通に噛める』『顔が軽い』と感じました。『こんなに早く効果が出るなんて』と感動しました」
根管内の清掃・消毒後、水酸化カルシウム剤を根管内に填入しました。
「『神経を鎮める薬を入れます』と説明された時、『神経を取ったのに、まだ薬が必要なの?』と思いましたが、『炎症を抑えて、治りを良くするため』と聞いて納得しました」
水酸化カルシウム剤の効果は患者様にも実感していただけました:
「治療後2〜3日は、『本当に大丈夫かな?』と心配でしたが、日に日に調子が良くなって、1週間後には『完全に普通の状態』になりました。薬の効果ってすごいんですね」
初回治療から約1週間後、症状の完全な改善を確認した上で、最終的な根管充填を行いました。
「2回目の治療で『これで終了です』と言われた時、『本当にもう大丈夫なんだ』と実感しました。あれだけ悩んでいたのに、たった2回の治療で完全に解決するなんて、すごいですよね」
根管充填後の患者様のお言葉:
「矯正治療も安心して続けられます。もしあの時、痛みを我慢していたら、どうなっていたか分かりません。早めに相談して、本当に良かったです」
患者様は治療後、:
「私も最初は『気のせい』『ストレス』と言われて、すごく辛い思いをしました。でも、諦めないで良かった。原因不明の痛みでも、必ず原因はあります。『おかしい』と思ったら、高倉歯科マインドクリニックで相談してみてください」
精密な診断をお勧めする症状:
当院では、このような困難な症例に対して、以下の最新設備により包括的な診断を提供しています:
設備 | 性能 | 効果 |
---|---|---|
歯科用CT | 解像度0.076mm、撮影時間14秒 | 髪の毛レベルの精密診断 |
マイクロスコープ | 最大30倍、4K動画撮影 | 肉眼では見えない精密治療 |
デジタル診断機器 | 電気歯髄診断器、根管長測定器 | 総合的な精密診断 |
現在他院で治療中の方でも、以下のような状況であれば、セカンドオピニオンをお勧めします:
「他の病院で『抜歯しかない』と言われても、諦めないでください。私も『このまま一生痛いのかな』と思っていましたが、適切な診断と治療で完全に解決できました」
セカンドオピニオンをお勧めするケース:
「費用のことは確かに心配でしたが、20年30年先のことを考えると、今きちんと治療してもらって本当に良かったと思います」
今回の患者様の体験談から、以下の重要なことが分かります:
外見上は健康に見える歯でも、内部では深刻な炎症が進行している場合があります。「見た目は正常だから大丈夫」ではなく、症状がある場合は精密な検査が必要です。
パノラマレントゲンやデンタルレントゲンだけでは診断できない病変が存在します。CT診断により、従来では発見できない微細な変化も確実に把握できます。
症状が軽微なうちに正確な診断を行うことで、より侵襲の少ない治療で良好な結果を得ることができます。
マイクロスコープとCT診断の組み合わせにより、従来では不可能だった精密な診断と治療が可能になっています。
患者様からの最後のメッセージ:
「原因不明の痛みで悩んでいる方に伝えたいのは、『絶対に諦めないで』ということです。私も何ヶ月も苦しみましたが、適切な病院で適切な検査を受けることで、完全に解決できました。一人で悩まず、ぜひ相談してみてください」
もし現在、原因不明の歯痛でお悩みでしたら、決して諦めずに精密な診断を受けることをお勧めします。最新の診断技術により、これまで分からなかった原因が明らかになり、適切な治療により症状を完全に解決できる可能性があります。
当院では、このような困難な症例に対しても、豊富な経験と最新の設備により、患者様の痛みを根本から解決するための最適な治療を提供しています。お一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。きっと解決への道筋が見つかるはずです。
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