地域医療への貢献こそが永遠のテーマ

私は、約20年にわたり世田谷区歯科医師会館にある口腔衛生センター(旧・障害者歯科センター)で障がい児、障がい者の方々の診療をしていました。 そこでは、上手に歯磨きすることが困難であったり、自分で磨くことが出来ない場合が多く、むし歯も多々見受けられました。しかし簡単に治療はできません。何故なら、彼らの多くは、色々なお薬を服用していたり、反射が突然現れたりと、思うように体を動かすことも難しいためです。 そのような場合は、安全のために動かないようにネットなどで固定して治療をします。麻酔科の先生と協力して半分麻酔した状態で行うこともあります。半分麻酔は、麻酔を右手ないし足から血管に入れていきます。全身麻酔と違ってこの麻酔は、痛みを感じます。従って、治療の際にはお口にも麻酔をします。そうして、気管に水が入らないようにして治療をします。水が入ってしまうと、肺炎になるおそれがあるからです。 そのような状態ですから、むし歯にならないようにしよう、という運動が試みられています。そうです。定期的な検診と付添いの方にちゃんと磨かせるという気持ちです。 障がい者たちの中には、親御さんがしっかりと意識をもち、磨くことによって、むし歯にならない子も少なくありません。